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認知症による徘徊を防ぎ、介護の疲れを軽減する方法

認知症の症状の一つ、「徘徊」。徘徊する人の増加に伴い、その自宅介護で疲れる人も増えています。この記事では、徘徊による事故や怪我のリスクを減らし、介護人の負担を減らす方法をご紹介します。
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徘徊は、介護している家族の責任も問われる

認知症による徘徊が増えています。この2〜3年でも、徘徊による事故やトラブルのニュースを目にすることも増えました。例えば…

2016年3月 
79歳の男性が、徘徊中に列車にはねられて死亡。

2014年12月
91歳の男性が、徘徊中にJR東海道線の駅構内で列車にはねられて死亡。

2014年1月
76歳の女性が、デイサービス施設から抜け出し、畑で死亡。

最後のデイサービスから抜け出した女性の事件は、2016年9月に、福岡地裁が施設側の過失を認め、約2,870万円の賠償命令を下しました。JR東海の事故も、最高裁では家族の監督義務なしとの判決がくだされましたが、一審・二審では家族への支払いが命じられていました。

ただ、判決結果は今後も揺れ動くでしょう。ひとつ言えることは、裁判の結果にかかわらず、徘徊する人が事故を起こした時は、介護している家族の責任も間違いなく問われるということです。事故や裁判が起こってからでは遅い…。徘徊は、「予防」「未然に防ぐ」ことが大切です。

徘徊の自宅介護で悩んでいる方に向けて、少しでも事故のリスクを減らせるよう、現実的な徘徊対策を考えてみました。

徘徊対策の第一歩:まず介護人の疲れを軽くする

介護人の疲れ
厚生労働省は、「2025年に認知症患者が700万人を超える」との試算を発表しました。これから増えていく認知症患者に伴い、徘徊する人も増えています。徘徊する人が増えると、そのお世話をするご家族や介護人の方々も、ほんとうに大変です…。施設を利用したくても利用できず、自宅介護を余儀なくされている人もいますよね。

徘徊する人の自宅介護には、さまざまな課題があります。あなたも、こんな問題で悩んでいませんか?

  • 安心して夜眠れず、体力が持たない
  • 徘徊の症状がひどいため、グループホームやショートステイなど介護施設に入れない
  • 施設への入居が順番待ちで、いつに入れるかわからない
  • 睡眠導入剤などの薬の使用には不安がある
  • 目を覚ますと家にいなくて、探しに出かける
  • 徘徊による事故や行方不明が不安でしかたない

自宅介護をしている(せざるをえない)理由は、それぞれに違います。どのような状況であれ、徘徊する人の世話をしていると、必ず「介護人の体力と精神力がもたない」という問題に突き当たります。そしてその原因は、「安心して眠れない」「十分な睡眠時間がとれない」こと…。

この記事は、そのような「徘徊する人の在宅介護の負担」を少しでも軽くできればと思い、書きました。現状では、徘徊を100%解決できる「答え」はありません。しかし、徘徊による事故や怪我のリスクを下げる、介護人の負担を減らすことはできます。これから、その方法をご紹介します。

(参考:厚生労働省 認知症施策

安心して眠るために必要な徘徊対策とは?

安眠

自宅介護をしている人は、さまざまな対策をしています。また、これからどんな徘徊対策をしようか悩んでいる人もいると思います。これから、主な徘徊対策をひとつずつ検証していきます。

1 睡眠導入剤

徘徊する人に、夜眠ってもらうための薬です。

メリット
  • うまく寝てくれれば、その間自分も眠れる。外に徘徊されるリスクが減る
デメリット
  • 副作用でせん妄状態が強くなる可能性がある。
  • 薬が効きすぎると、昼夜逆転して生活リズムが狂う可能性がある。
  • フラフラの状態でも徘徊しようとして、転倒など怪我をする可能性がある。

日本睡眠学会による「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」にも、以下の記述があります。

長期間服用すると、むしろ過鎮静のため午睡が増加することがあります。また、転倒や骨折、健忘などの副作用の危険性が高まるため、高用量・多剤併用や長期服用は避けるべきです。

(参考・引用:日本睡眠学会「睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン」)

 

2 徘徊を検知するセンサー

徘徊しようとする動きを、玄関や部屋・ベッドなどで検知します。マット、感知センサー、携帯型センサーなど、さまざまな形式のセンサーがあります。

メリット
  • ベッドを出る時、玄関を出る時など、目の届かない場所でも行動を把握できる
デメリット
  • センサーに気づかれて、外されたり回避される可能性もある。
  • 家族が検知されても音が鳴ってしまい、混乱する。
  • 維持費がかかる製品もある。

 

3 GPSセンサー(位置を把握できる機能を持ったモノ)

GPSで検知

徘徊する人の位置がわかるセンサーです。

メリット
  • 徘徊されても、連れ戻せる。行方不明にならない。
デメリット
  • 徘徊行為自体は止められない
  • 徘徊する人が、GPS機能付きのセンサーや服・靴などを装着しない可能性がある。
  • GPSの位置には最大100メートルほど誤差が出る。実際に探す時に時間がかかることも多い。

 

4 服に名前と住所を書く

徘徊する人の普段着や靴に、縫い付けたり書いておきます。

メリット
  • 保護された時に身元がわかり、連絡がとれる
デメリット
  • 防犯上の不安がある。悪意のある第三者に知られた場合、自宅侵入のリスクがある。

その他には、

  • 近所の警察や顔見知りの人に、徘徊のことを知らせておく
  • 自治体によっては徘徊対策のネットワークがあるので、登録しておく
  • 徘徊=外出に一緒に付き合う

などの対策も挙げられます。

上記に挙げた対策で、3と4は「徘徊した後の対策」です。そのため、介護人の負担は減らすことができません。対して、1と2は「徘徊を予防する」対策です。しかし、いずれもデメリットがありますよね。つまり、これらの徘徊対策をしても、なかなか「安心して眠れる」「徘徊による事故のリスクを減らす」のは難しいのが、厳しい現実です。

また、「一緒に外出する」ことも推奨されていますが、現実的に毎回付き合うのは難しいでしょう。30分以下ならまだ許容できる範囲かもしれませんが、それ以上に及ぶと、徘徊に付き合っているうちに疲れてしまいます。

では、どうすればいいのでしょうか?

解決策のひとつとして、根本的に「徘徊という行為ができない」状態にする方法があります。それは「徘徊防止鍵」の活用です。徘徊防止鍵を使うことで、「安眠」を手に入れ、「徘徊による事故のリスク」を大きく減らすことができます。これから、その徘徊防止鍵の使い方やメリットについて、お話します。

 

徘徊防止鍵とは何か?使い方・メリットを解説

徘徊を防止する鍵

徘徊防止鍵とは、ドアの内側にかける鍵です。ドアの内側のつまみ(サムターン)に鍵の機能を加えて、外出できないようにする製品です。

メリットは

  • 外出=徘徊をさせない
  • 夜、徘徊に怯えることなく眠ることができる

ことです。

鍵に関しては、「鍵を手の届かない場所につける」という対策もあります。しかし、家族が外に出るたびに、毎回開ける手間がかかってしまいます。徘徊防止鍵は、鍵をかけた後、鍵をどこかに保管しておけばいいのです。

症状が強い場合は、1の睡眠導入剤と併用する必要があるかもしれません。また、もしデイサービスに通える状態になったら、昼間はデイサービスに通ってもらい、生活のリズムを整えます。デイサービスに通うことは運動にもなりますので、夜眠ってもらえる確率が高くなります。そして、夜は徘徊防止鍵をかけて、外出を防ぎます。

どうしても徘徊(外出)したくて大声を上げたり、とても不安定な状態になってしまったら、鍵を開けられる設定にすれば良いのです。そのため、メリットはあっても、デメリットはありません。

実際に使われた方からは、

  • 徘徊がなくなった!
  • 徘徊して事故や行方不明になる心配がなくなった
  • 安心して夜眠れるようになった

などの声があがっています。

在宅介護の疲れを少しでも軽減したい」と悩まれている方は、一度試されてみてはいかがでしょうか。

徘徊防止鍵について、詳しく知りたい方はこちらへどうぞ


-生活のトラブル, 病気・不調

2016/09/30